2017年9月17日日曜日

V.I.V.E.Kインタヴュー翻訳版

あの重たいドライヴ、あの旋律的なベースラインは、音楽の骨格のようなものだったし、全ての余計な事が、スーっとどこかに消えていくんだ。あれが間違いなく〈システム〉のプロトタイプだった。
先日このブログで原文を紹介した、V.I.V.E.Kのインタヴュー記事(2016)を、J.unearthが翻訳してくれたので掲載します。イヴェントやレーベル、サウンドシステム、彼の原点についてなど、彼の音楽(文化)に対する真摯な姿勢が伺える好内容、長いですが、ぜひ何度も読んでください。

少年時代のベッドルームでのDJから世界を股にかけたツアーまで、ヴィヴェク・シャルダ(Vivek Sharda)の旅はサウンドシステム・カルチャーへの揺るぎない情熱によって燃やされる、粘り強さでもある。彼が初めてリリースした00年代半ばから、“ダブステップ”の名の下に生まれてくる音楽は様々な形を取り込んできたが、彼のサウンドはこれまで通りに自身の音を残し続けている。「Motherland」での催眠的なパーカッシヴなレイヤーから、「Slippin」の不思議で素晴らしいベースラインまで、シャルダの曲は予測不可能であり、最も低い周波数を探求し続ける無比な資質といえる。現在、明らかにシーンの頂点に立つV.I.V.E.K(『混乱させるために敢えて点を置いた』とのこと)は、集められた若い才能たちの先導者としてだけでなく、本来、著名なプロデューサーとしても知られいる。2012年以来、彼は仲間や家族と〈システム〉という名のダンスを運営してきた。シーンで最も尊敬を集めるレーベルのひとつである〈システム・サウンド〉はその後ほどなく始動し、その軌跡は平凡なものとはならなかった。ヴェルサ(Versa)の014が最新のリリースではあるが、ファンを困惑させたヴィヴェク自身の005と010の行方について、このインタビュー内で語られた。姿を眩ましていたSYSTM005(アナウンスされてから2年が経過)EPのローンチ・パーティがあり、その際、幸運にも私はエクスクルーシヴな対談をする十分な時間と、ノッティングヒルにある彼の幼少からの馴染みの場所で、一緒にレコードをディグする時間を持つことができた。
早速SYSTM005についてですが。沢山のリリースの後、なぜ今になって005が出ることになったのでしょうか?
005番のプロジェクトを始めたときは、誰も聴いたことがない新曲を多く収録する予定だった。残念ながらハード・ドライヴの事故で、昔から作りためていたものを含む沢山の曲を失うという大失敗をしてしまった。私はそれらとビッグなことをしようとしていたので窮地に追い込まれた——「自分は一体何をしているんだ?!」という感じ。それに、自分の最悪の敵は自分だった。私は自分がしていることに非常に批判的で、自身を抑えつけてきてしまった。というのも、私は何年もの間、自分が好きではないものを作り続けていたんだ。その状況を変えたかったし、元に戻したいと思っていた。そのままにしておくわけにはいかなかったんだ。良いものにしたいし、皆に感じてもらえるものにしたいけど、まず最初に自分を楽しませなければならなかった。そうして005は、私たちがいま、何をしようとしているか?というアイデアを詰め込んだプロジェクトになった。その半分はダブで、もう半分がステップであり、レーベルとパーティともマッチした。アートワークはベン・ドノヒュー(Ben Donoghue)によるもので、パーティの夜の風景がそれぞれのスリーヴに落とし込まれている。もし実際に来れば、それが何なのか、どんな音楽で、どう動き出すのか理解してもらえると思う。〈システム〉の背後にあるコンセプトは、異なるジャンルをクロスさせ、1つのフォーマットの中で表現すること。私がその音楽に入れ込んでいる何人かのアーティストを巻き込んで、ダブ・ミュージックを創りたかった。私はそのやり方に満足しているし、いままでやってきた中で最もビッグなことだった。
あなたのリリースで最も誇りに思うものはどの作品ですか?
「Asteroids」——これは〈システム〉での最初のリリースで、実際に皆が受け入れてくれるとは思っていなかったんだ。でも人々はそうしてくれた。バンガーではなくディープな曲だったから、私にとってそれは本当に素晴らしいことだった。いままで自分がやってきたのとは全く違う新曲だから、まるで次の章の幕が上がったようだった。
SYSTM005に「Asteroids」に似たものはありますか?
そうは思わない。「Asteroids」が、いまのレーベルに本当にフィットするとは思っていない。結構退屈に聞こえるし、他のリリースともかなり違う。他の曲にはもっとコンセプトがあるし、はるかにダブの影響を受けている。「Asteroids」のような曲はないけれど、でもレーベルのこれまでの軌跡と、その進歩の過程については満足している。
〈システム〉のリリースには、いずれも似たアイデアがあると思うんですが、カルマ(Karma)やフォームプレート(Foamplate)のようなプロデューサーの間には、結構な違いがあるように見えます。あなたが誰かとサインするとき、どんな音とヴァイブを期待しますか?
ゴス・トラッド(Goth-Trad)が〈フォワード(FWD>>)〉で私にコリン(カルマ)を紹介してくれて、それから彼が沢山の曲を送ってくれた。多くの色々な人が送ってくれる曲はどれも聴いているけど、コリンの「How Ya Feel」を聴いたときは、まさに首の後ろの毛が逆立つような感覚だった。「この曲は誰かサインするべきだ、この曲はヤバイ!」って思った。フォームプレートのときも同じ感覚で、彼が「Fuzz」のダブをくれたとき「コイツはいったい何者なんだ?!」って感じだった。レーベルをやっている人は皆、自分が好きな音楽を送り出していると思けど、それが本当に多国籍なレーベルではない限り、お金を稼ぐことはなかなかできない。それでも私は自分が感じるものをリリースしたいと思っている。「これはダビーから良いじゃん」みたいな感じでやったことはない。私は好きなものを出すし、たとえそれが他と関連性がなくてもそうすると思う。全てはダブやダブステップのようなもので一貫性はあるものの、私は他にも色々目を向けている。レーベルはサウンドシステム・カルチャーをフォローしているので、その枠組に入るものであり、その枠組はかなり多様なものだ。
〈システム〉にサインしたアーティストには、どんなアドヴァイスをしますか?
結局のところ、これはビジネスなので、彼らに会うたびに私が最初に行なうことのひとつは、何がコストで、何が支払われるべきかということを見定め明確にすること。そしてアーティスト自身が自分のレーベルを始めるよう勧めている。たとえば、ちょうど最近自身のレーベル(プラント・パワー)をスタートさせたフォームプレートのように、彼の進歩を見られるのはとても素晴らしく思う。自分以上に、自分自身に多く力を尽くせる人は他にはいない。もし私があなたの音楽をリリースしようとしているなら、それはあなたの音楽が素晴らしいと感じているからだし、それがレーベルにとっても良いことだと思うから。しかしあなたや、あなたのキャリアまで所有したくはない。自身がしたいことを自由にすべきだし、もしあなたが有能であれば、自然とその才能は輝きを放つだろう。音楽を出すこと——音楽が最も重要だ、なぜなら音楽はあなたを他の人と区別させるものだから。
レーベルを運営する上で、いい部分、大変な部分はどんなところですか?
良い部分を挙げるなら、私は自分が好きな音楽をリリースしているから、レーベルは自分の表現であるという点。他には、まだ無名のアーティストのスタートから、その後の活躍を見られるところかな。カルマのように、彼は素晴らしいアーティストでもあり、現在〈インナマインド(Innamind)〉の人々と働いているのを見られるのは、とても喜ばしいことだ。私のところを通って、その後も活動を行なっているのは素晴らしい。アイタル・ミック(Ital Mick)にヴェルサ……彼らは無名というわけではなかったが、もう少し脚光を浴びるべきだと思っていたから、レーベルがその助けになったと願っている。良くない点は、物事が計画通りに進まなかったときや、物事が間違っていたり問題があるとき。005で、私はテスト・プレスに満足していなかったので、多くの曲を再カットした。それがリリースに長い時間がかかった理由のひとつでもある。レーベルを運営することに短所が多いわけではないけど、いつも計算されたリスクを抱えている。私は流通の契約をしていないので、限られた資金の中から、私自身が全ての支払いをしている。でもだいたいにおいて、すべてはポジティヴ——レコードの売り上げは素晴らしいポジションにあるし、自分たちのウェブサイトを通じて販売する方法は、中間業者がない分アーティストにより多くのお金を支払うことができる。
今後の〈システム〉でのリリースについてお話しできることはありますか?
リリースされる予定の005は確実に動いてる。ラス(Las)……彼のアルバム制作に取り組んでいるけど、彼にはあまりにも沢山の曲があるから難航している。カルマは2枚組を用意しているし、サインしたばかりのセスマン(Cessman)も2枚組でリリースすると思う。セスマンは素晴らしい、経験のあるヤバいプロデューサーだ。フォームプレートとも、また何かやろうと思っている。ヴェルサともまた何かやりたいと思っている。現時点では005、そして010は私の曲の2枚組。あと来年はカルマが最初になると思うので、ちょうどそれに向けた作業をしている。
あなたは〈システム〉の顔ですが、しかしながら沢山のファミリーの関与も多いようです。これは単にクラブ・ナイトやレーベルですか? そして誰がシステム・ルーツ(System Roots)の一員なのでしょうか?
サウンドシステムは常にそうだけど、そこには誰もが知る顔役と、もっと重要な裏方の人物がいる。誰もがスピーカーを買うことができるし、サウンドを組み上げることはできる。でも、誰もがサウンドを運営できるわけではない。それは献身的な愛のようなものなのだけど、最終的には人々がそこにいなければならないし、信頼も必要だし、ダンスの5時間前に来てダンスの3時間後に帰るような人たちも必要なんだ。どれだけの人がそうしたいと思う?そう多くはないだろう。私たちがダンスをやるときは、いとこ、兄弟、友達——皆そこにいるけど、レーベル運営の方が私にとっては簡単なことなんだ。サウンドシステムを見てみると——アバ・シャンティ(Aba Shanti)、ジャー・シャカ(Jah Shaka)、チャンネル・ワン(Channel One)——皆ファミリーなんだ。物事がヒートアップすることがあるから、家族や親友としかやっていけないし、その側面を受け入れるつもりがないならサウンドの一員にはなれない。システム・ルーツは、私の弟と、私の親友でありメインのサウンド・マン、グーグス(Googs)のユニットだ。彼は陰の功労者で、こんな話があった——私たちがサウンドを始めたころ、彼と一緒にパブにいると誰かがグーグスに電話をしてきた「子供もいるし、スピーカーを売りに出したんだ」。グーグスは「nah、買えるお金がないよ」と答えてるから、私が「誰?」と訊いたら「スクープを売りに出してるらしい」と。「それっていいやつ?」と訊くと「間違いない」って。そして「よし、やろう!」——こんな感じで、ことが始まったんだ。グーグスがいなかったら〈システム〉はなかったし、単純な話だ。サチン(Sachin)は私の弟だから、彼が一員であることはとても素晴らしいことだ。音楽の観点から言うと、彼のダブの知識はとても素晴らしいし、セレクションはヤバい。彼とグーグスは基本的な役割を担っている。彼らはウォームアップはしない——もちろん一番はじめにプレイをする。でも彼らはウォームアップをするんじゃなくて、ヴァイブスをセッティングするんだ。ダンスをセットアップしている彼らは、まだそれに値する信用を得られていないと思う。特に〈ドーム〉のダンスでは、彼らが良い音楽をプレイするから、皆が最初から聴きに来ていたんだ。
Sachin and Googs aka System Roots
〈システム〉のダンスは元々タフネル・パークの〈ドーム(The Dome)〉で開催されていましたね。その後〈シェイプス(Shapes)〉や〈ココ(Koko)〉を含むロンドンの様々なヴェニューに場所が移りましたが、その背景にはどんな理由がありますか?
タフネル・パークで開催できなくなった原因はカウンシルにあった。その後ハックニーにある〈シェイプス〉に場所を移したんだ。ヴェニュー側からは元々110dbまでヴォリュームを上げることができると言われていたのだけれど、イヴェントの1週間前になって「100dbまでしか上げられない」と言い渡された。さらには、来場者400人ほどまで許されているラインセンスに入らなければならなかったらしいのだけど、私はその説明を受けていなかった。外には800人の長蛇の列があり、ヴェニュー側は、この多すぎる来場者にカウンシルの監査が入るのを恐れ、ヴォリュームを90dbまで下げたんだ。〈ココ〉は見事!〈シェイプス〉から学んだし、もう本当にとんでもなく良かった。〈ディングウォールズ(Dingwalls)〉は素晴らしいヴェニューで、もうどこにも移れないほどだ。
サウンドシステムについての話をしますが、あなたのもの以外で、好きなサウンドシステムはありますか?
〈ヴォイド(Void)〉は、プレイしたことのある中でおそらく最高のシステムのひとつだと思う。あとヤングスタ(Youngsta)がリーズの〈コンタクト(Contact)〉で持ってる〈ニューロン(Neuron Pro Audio)〉、これは非常に優れたサウンドシステムだね。最近ヤング・ウォリアー(Young Warrior)と一緒にフランスでプレイした〈ダブアトリエイション(Dubatriation)〉と呼ばれるシステムはヤバかった。恐ろしいほどの勢いで、本当にヘヴィなベースラインだった。でも、私が全てのサウンドシステムから学んだことの中で、1つだけあまり考慮されていなかったことが、部屋の音響。これは聴こえ方に根本的な働きをする。セットアップの仕方や部屋の音響に左右されるので、プレイした中で何が最高だったかを決めるのはとても難しい。私たちがいま〈システム〉で使っている〈ディングウォールズ〉の部屋は音響的に最高だと言いたい。私たちのものが最高のサウンドシステムのひとつとは言わないけど、私たちのセットアップ方法は本当に良い鳴りをしているんだ。
あなたは若いころにサウスオールでのアバ・シャンティ・アイのダンスによく遊びに行っていたそうですが、それらはどうでしたか?彼らは〈システム〉のダンスに何か影響を及ぼしましたか?
確実にあれが基準になっている。初めてダンスに行ったのは13歳のころだったけど、コミュニティ・センターに入っていって、巨大なスピーカーを見て、下を見ると全てがブルブル振動していたのを覚えている。最も現実離れした体験だった。そしてちゃんとしたダンスに行くと、その現場では同じ曲は2度かからないんだ。私は完全に心を掴まれた。私の規範になったし、あのやり方で音楽を聴きたかった。あの重たいドライヴと旋律的なベースラインは音楽の骨格のようなものだったし、全ての余計な事が、スーっとどこかに消えていくんだ。あれが間違いなく〈システム〉のプロトタイプだった。
実を言うと、私が〈システム〉に行き始めたとき、ラインナップやタイムテーブルの情報不足に苛立ちを感じていました。いまでは、良い曲が流れている限り誰がプレイしてようが、そんなことは問題ではない、ということがよくわかりました。〈システム〉を運営する上での、そのような決意についてもっと教えていただけますか?
私が気付いたのは、ラインナップ全体がまるで階級のようになっているということ。いちばん上にメインのアーティストが大きな文字で表記され、下に小さく表記される若いアーティスト。下に表記されたアーティストは、上のアーティストと同じくらい仕事をしているわけで、私はこの方法は良いと思わない。私は人々にまず、良い音楽を聴いてもらいたい。その次に、その音楽を良いサウンドシステムを通して聴いてもらいたいと思っている。なぜ誰がプレイしているかが重要なのか?なぜそれらを売らなければならないのか?私はアーティストを売りたくはない。クラウドは素晴らしい音楽を聴くことになるのを分かっているんだから、私は皆に来てもらいたい。いまはスタートして4〜5年経ったので、ファンの人たちは私が良いアーティストを準備していると信頼してくれてると思う。でももし知りたいなら、次のラインナップを言おう。コモド(Commodo)、イゴレス(Egoless)、ヴェルサ、そして私、システム・ルーツ、クレイジー・D(Crazy D)とディーゴ・ランキン(Dego Ranking)だ。
ディーゴ・ランキンとは、どのようにして一緒にやるようになったのですか?
約3年前にブリストルの〈トウキョウ・ダブ(Tokyo Dub)〉で、ディーゴ・ランキンがマッド・プロフェッサー(Mad Professor)と一緒にいるときに会った。彼はものすごく盛り上げてた! 彼はドラムとベースの上に言葉を吐き出していて、ダブをしてた。グーグスが〈システム〉にも来てほしいと言って彼に番号を訊いんだ。ディーゴは50代のオールドスクールの人で、素晴らしい人格の持ち主で、ただただ素晴らしい。実際、彼のリリースは結構昔ではあるが、チャートの3位にも入っていた。私は彼に「一緒に1、2曲創りませんか」と言ってスタートしたんだけど、その当初は実際には上手くいかなかった。だから、彼に「何曲かリディムがあるので、それにスピットしに来てください」と言って「Road To Righteousness」と「One Heart」を渡すと、彼は一気にやり遂げてしまった。私たちはどうすれば上手くいくかを話し合った。私がディーゴについて愛しているのは、シンプルに理解して引き受けてくれる点。彼とは友人でもあり、一緒に働きやすく、いまでは本当に上手くいっている。2人にとって非常に有機的でプロフェッショナルなものになったんだ。
あなたは彼と、どれくらい一緒に仕事をしていますか?
今年がおそらく私たちの最初の年だった。誰かと一緒に旅行できるというのは、私の全てを変えた。ときには少し孤独になるときもあるし、いつも楽しめるわけではなかったから、そこに誰かが居てくれるというのは、ずっと良いことだ。
SYSTM005にない「Sound System」ダブプレートがインターネットに出回っています。2つはヴォーカリストと、1つは単独で、この楽曲はこれまでに計3つ出現しました。なぜオリジナルのダブプレートをリリースしないのでしょうか?
まず第一に、ダブプレートだからリリースされることはない。それに、ヴォーカルは別のリリースからのものだ。そのリディムの3つのヴァージョンの背景には、レコードをレゲエやダブのレコードのようにしたかったというのがある。メインの曲と別のヴァージョンを聴けるという、ダブの側面を表現したかったんだ。
オリジナルのダブまたはトラックは何と呼ばれていますか?
この呼び方が皆に知られているので「Sound System Riddim」と呼んでいる。「Version」というのはインストのことを指している。「Crucial Dub」というのは、曲の中でのヴォーカリストの言葉から名付けられ、「Zindagi」も同様にフックの部分から名付けられた。
SYSTM005ではどのようにヴォーカリストを選びましたか?
ツアー中にデリーで、デリー・サルタネイト(Delhi Sultanate)とビーガム・エックス(Begum X)に出会った。インドでマッシヴなことをやっているデリー・サルタネイトにビック・シャウトを。彼はちょうどサウンドシステムを作りあげたし、インドでレゲエとダブをしっかりプッシュしている、私の知る限りで唯一の人物だ。彼はインドのマイノリティの困窮を助ける活動家でもあり、とても興味深い人だ。シンギング・コロン(Singing Cologne)とはだいぶ前に出会った。彼は「Crucial Dub」のために全編を書いてくれていたのだけど、私はダブ・ヴァージョンの方が好みだった。ミックスした曲のリストを見返してみて、この2曲が機能すると思った。
2007年の最初のリリース「Natural Mystic」以来、かなりテッキーなものやドラム&ベースに影響を受けたものから、暖かいアナログ・サウンドへと変化してきました。これは意識的なのか、それとも自然に起こった変化ですか?
それは両方が混在している。制作のスキルが上がったこと、そしてハードウェアを使い始めたこと。当初はそうではなかったんだけど、これは私の音楽に大きな影響を与えた。最初の曲が出来たころ、私はまだダブに入れ込んでいたけれど、もっとテックなものに入れ込むようになった。頭の中で鳴っている音、アイデアを紙の上に落とし込むのはとても難しいことだ。しばらくしてから、何かを聴いて、それを書き出すことができるようになった。そして思うに、私自身が変わったので音楽も変わったのだろう。かつては、もっと多くの時間を音楽に費やしていたのだけれど、今は身体的にも時間がないし、不可能だ。私は歳を重ねるにつれて、音楽的に円を描くように、原点であるダブを愛した若いころに戻っていると感じる。自身の変化の奇妙な組み合わせだけど、もっと昔の自分になっていくということだと思っている。
トレンドを忘れてあなたの元々愛していたものに戻るということでしょうか?
確かに。トレンドに従ったことなんてなかったけれど、元々、私をダブステップに引き込んだのは、その音楽が持つオープンさだった。私の音楽が多様である事実は、ダブステップがオープンな音楽であることの証であるし、それはあなたが望むどんなものにも成り得るのだと思う。いつもは、少し「こうできたな、もっとああいう風にできたな」と思ってしまうのだけれど、いま005番を聴くとそのサウンドに本当に満足しているし、概して私のやってきたことに満足している。このリリースは「yeah, that’s cool. It all sounds good」って感じで、私に沢山そう言わせたんだ。
Photos courtesy of Isa Jaward and Ben Donoghue.
Original article on Trusik, Transration by J.unearth.

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